この記事では、パソコンのウイルス対策をしていないと危険な理由、そして万が一感染した場合の対処法について、解説をしていきます。
パソコンのウイルス対策をしていないとどのような危険性があるか、具体的に考えたことはありますか?
もしウイルス感染をすれば、端末データの強制削除や情報漏洩、周囲の端末への感染などの危険があります。
まずは最低限のウイルス対策をして、こうした危険に遭遇しないよう準備をすべき。もし感染をしてしまっても、被害を最小限に抑える方法もあります。
この記事では、パソコンのウイルス対策をしない危険性、万が一被害にあった場合の初期対処、最低限対応すべきセキュリティ対策について、解説をしていきます。
- パソコンのウイルス対策をしない危険性
- 感染時に被害を防ぐための初期動作
- 最低限必要なウイルス対策
ウイルス対策ソフトはいらない? 必要性について解説します
パソコンのウイルス対策をしていないと危険な理由
パソコンのウイルス対策をしていないとどのようになるのか。
簡単に言えば、ウイルスに感染する可能性が高まり、感染したら様々なトラブルが発生します。
またウイルスに感染した場合、あなた自身だけの問題ではなく、周囲の端末にも被害を拡散する可能性が高い。
まずはウイルスに感染したら、どのようなトラブルが発生するか確認をしてみましょう。
ウイルス感染例①データの不自然な削除やファイルを破壊
ウイルスに感染した場合、データが不自然に削除されます。
パソコンに侵入するウイルスの種類にもよりますが、一度端末に侵入したウイルスは増殖を続け端末内の様々なアプリケーションへ感染。
PowerPointやExcel、WordなどのOffice系ソフトはもちろん、写真や動画などのデータにも感染し、勝手に削除をしたり、ファイルを破壊し開けないようにしてしまいます。
削除されたり、破壊されたデータは、基本的には修復ができません。
セキュリティ対策をする際に守るべきは、企業や個人が持っている「情報資産」。
ウイルス感染によって、情報資産を失うことのないようウイルス対策をしていきましょう。
ウイルス感染例②企業や個人の情報が流出
ウイルスに感染した場合、企業や個人の情報が流出します。
企業なら、取引先名や取引状況、自社顧客の情報、新商品の開発情報や、決算情報が該当など。
個人なら、氏名、年齢、住所などの個人を特定できる情報や、クレジットカードやオンラインバンキングなどの決済情報などが該当します。
- 企業:取引先情報や顧客情報、開発情報、決算情報など
- 個人:氏名、年齢、住所やクレジットカードなど
情報漏洩は企業にとっては取引先や社会からの信用失墜、個人にとっては不正決済被害などが想定されます。
ウイルス感染例③Webサービスへの不正ログイン
ウイルスに感染した場合、Webサービスへの不正ログインが発生します。
不正ログインとは、感染した端末内にあるIDやPasswordから、各Webサービスへ不正にログインし、本人に成り代わって情報を発信したり、不正決済をしたりなどの被害が発生。
例えばTwitterやFacebookのアカウントなどが乗っ取られてしまう1つの理由が、ウイルス感染した端末からの不正ログインです。
不正にログインをされていることは、本人はもちろん、周囲の人からも分かりません。
不正ログインにより、周囲へ不適切な言動をするなども、被害の1つです。
ウイルス感染例④周囲の端末への感染
ウイルスに感染した場合、自分の端末だけではなく、同じネットワークにある他の端末にも感染は拡大します。
企業であれば、オフィスにある1台の端末が感染してしまえば、他の端末への感染が広まり、ネットワークにある情報が全て抜き取られてしまうことも。
個人であれば、今ではネットワークにあるカメラやスピーカーから、個人に関する情報を抜き取られてしまいます。
ウイルス対策をしていない端末が1台でもあれば、そこから被害が広がっていきます。
パソコンがウイルスに感染した時の対処法
ウイルス対策を全くしていない場合、すでになんらかのウイルスが入っている可能性があります。
空き巣が盗みやすい家を探すように、ウイルスも対策をしていない端末から感染を広げていく。
もし何らかの不審な動きを感じたら、すぐに次の動作を行ってください。
早めの対策で被害を最小限にすることができます。
ウイルス感染時の対処法①ネットワークから切り離す
パソコンがウイルスに感染してしてしまった場合、すぐにネットワークから切り離します。
- 有線LANなら、LANケーブルから抜く
- 無線LANなら、Wi-FiをOFFにする
同じネットワークにいる端末同士は、同じ部屋にいる人間と一緒。
ネットワーク内のいずれかの端末がウイルス感染してしまえば、他の端末へすぐに広がってしまします。
使う端末に不審な動きが見られたら、すぐにネットワークから切り離し、他の端末への感染を防ぎましょう。
ウイルス感染時の対処法②ウイルス対策ソフトで駆除
ネットワークから端末を切り離したら、ウイルス対策ソフトを使ってウイルスを駆除していきます。
もしウイルス対策ソフトが入っていない場合や、ライセンスが切れてしまっている場合は、すぐに最新のウイルス対策ソフトを導入してください。
ウイルスに感染した端末のウイルス駆除は、ウイルス対策ソフトを購入するしかありません。
また新たなウイルスを駆除するには、最新のパターンファイルを反映しているウイルス対策ソフトが必要。
パターンファイルはウイルスを検知する元のデータベースのため、感染時は必ず最新のパターンファイルを使って、駆除するようにしましょう。
パソコンに必要なウイルス対策はこれ!
必要なウイルス対策①ウイルス対策ソフトの導入
必要なウイルス対策はいくつかありますが、まずはウイルス対策ソフトを導入することです。
セキュリティ対策ソフトは各メーカーがウイルスを検出し、検出されたウイルスに対し対処できるようにプログラムを組んでいます。
「すべてのウイルスを検知できるわけじゃないから、ウイルス対策ソフトを入れても100%安全じゃない。」
「リスクがあるならウイルス対策ソフトを入れなくても同じでは?」
こうした意見もありますが、ウイルス対策ソフトを入れない理由にはなりません。
ウイルス対策ソフトの導入により防げるリスクがあるなら、活用してウイルス感染を防ぐことが必要。
同じネットワークにいれば、1台の感染がネットワーク全体へ広がってしまいます。被害にあうのは、あなたの端末だけではありません。
必要なウイルス対策②OSの最新化
必要なウイルス対策は、ウイルス対策の導入だけではありません。端末のOSを常に最新のバージョンへアップデートするのも、重要なウイルス対策の1つ。
Windows、mac OSなど、どのアプリケーションでも、OSは定期的にバージョンアップが必要になります。
ウイルス対策にOSのアップデートが必要なのは、更新によってOSの脆弱性への攻撃を防ぐため。
OSのバージョンアップは必要になる理由は様々です。
- 新しい機能の反映
- 使い勝手の改善
- エラーやバグの修正
- 脆弱性の改善
このうち、ウイルス対策を行うには、脆弱性の改善のためOSのアップデートが必要になります。
脆弱性とは、OSのうち攻撃者が狙い撃ちできる傷口のようなもの。脆弱性が発見されると、各メーカーは傷ぐちをふさぐためセキュリティパッチ(絆創膏のようなもの)を配布し、脆弱性への攻撃を防ぎます。
OSのアップデートは、セキュリティパッチを適用するために必要です。
各メーカーが気付き、脆弱性からのウイルス感染防止ために開発したセキュリティパッチを適応させるために、定期的なOSのアップデートは欠かせません。
必要なウイルス対策③UTMやファイアウォールの導入
ウイルス対策ソフトの導入、OSの最新化は一般的に必要なウイルス対策です。そして企業なら、更にUTMやファイアウォールなどの導入を検討しましょう。
基本的なウイルス対策の考え方は、セキュリティの多層化です。
UTMやファイアウォールの導入により、ウイルス対策ソフトやOSの最新化だけでは防げないセキュリティ対策が可能。
- ウイルスがパソコンに入るのを防ぐ
- ウイルスがパソコンから情報を持ち出そうとしても、外部への流出を防ぐ
UTMやファイアウォールは、ウイルス対策ソフトに比べ価格は高いですが、1台でネットワーク全体を守れる製品。
端末をウイルス対策ソフトで防御し、ネットワーク全体をUTMやファイアウォールで守る。
自宅の防犯対策も1つの方法ではなく、複数の組み合わせで対応しますよね?
- 自宅のカギ
- ドアチェーン
- 金庫
- 防犯カメラ
自宅の防犯と同様、ウイルス対策でも多層化して守ることで、更にセキュリティ改善が可能。
導入されていない法人は、ぜひ導入の検討をすべきです。
必要なウイルス対策④重要データのバックアップ
これまで解説した必要なウイルス対策は、ウイルス対策ソフトの導入、OSの最新化、UTMの導入など、ウイルス感染をしないための対策。
もちろん、ウイルス感染をしたいための対策は重要ですが、万が一感染をしてしまっても、困らない状態にしておくのも大切なセキュリティ対策の1つ。
そこで重要なのが、必要なデータのバックアップです。特に法人の場合は、必ず実施が必要です。
データのバックアップがあれば、ネットワークが破壊されても、データが消去されても、業務を再開させることができます。
「データがなくなったから業務ができない」なんていい訳は通用しません。
データのバックアップ方法は、ミラーリングや別端末への保存など、いくつかありますが、何でもOK。
理想は「端末のデータが全てなくなっても業務を再開ができる状態」です。
個人でも、写真や動画、大切な人の連絡先はいくつかバックアップを取るようにしましょう。
必要なウイルス対策⑤IDやPASSの定期変更
IDやPASSの定期的な変更も、セキュリティ被害にあわないために必要な対策の1つです。
データのバックアップと同様、ウイルスに感染しないための方法ではありません。
しかしIDやPasswordの定期更新によって、万が一情報が漏れてしまっていても、被害を最小限に防げます。
個人の場合なら、クレジットカードやネットバンキングのログインIDやPassword。法人なら管理するサーバーや、仕事で使う業務システムのログインIDやPassword。
万が一の不正使用に備え、定期的なパスワード更新を基本動作としてやる必要があります。
まとめ
この記事では、パソコンのウイルス対策をしていないと危険な理由、そして万が一感染した場合の対処法について、解説をしてきました。
- パソコンのウイルス対策をしていない場合、データ消去や情報漏洩、周囲の端末への感染拡大などの危険がある
- パソコンがウイルス感染したら、すぐに端末をネットワークから切り離し、ウイルス対策ソフトを使ってウイルスを駆除する
- 最低限必要なウイルス対策は、ウイルス対策ソフトの導入、OSの最新化
普段はウイルス対策について、多くの人が考える機会がないはず。ですが、実際にウイルス感染をした際の危険性を考えれば、対策が必要なのはすぐに分かります。
最低限のウイルス対策として、ウイルス対策ソフトの導入、OSのアップデートができていない人はすぐに実施が必要。
どれも数分で終わる簡単な作業です。少しの手間を惜しんで、後悔をすることのないよう注意してください。