違いについて知りたい。
この記事では、UTMとウイルス対策ソフトのそれぞれの役割や機能の違いについて解説をしていきます。
セキュリティ対策にはいくつかの方法があります。
- ウイルス対策ソフトの導入
- UTMやファイアウォールの導入
- サーバーのクラウド化
この他にも、Webサーバーを外部へ設置したり、ウェブアプリケーションファイアウォールの設置など、挙げればきりがない。
中小企業に身近なセキュリティ対策は、ウイルス対策ソフトやUTMの導入です。
「UTMを入れればウイルス対策ソフトはいらないの?」
こうした質問をお客様から頂くことがありますが、UTMを導入してもウイルス対策ソフトの導入は必須です。
理由はUTMとウイルス対策ソフトでは、それぞれ役割が違うから。
この記事では、UTMとウイルス対策ソフトの違いについて、役割や機能から徹底解説をしていきます。
- UTMを導入してもウイルス対策ソフトが必要な理由
- UTMとウイルス対策ソフトの役割の違い
ウイルス対策ソフトがいらないは嘘。セキュリティ対策は多層防御が基本
UTMを導入してもウイルス対策ソフトは必要
UTMを導入しても、端末へのウイルス対策ソフトの導入は必須です。
UTMとウイルス対策ソフトでは、それぞれ役割が違う。そのためUTM、ウイル対策ソフトのどちらか一方を導入しても、セキュリティ対策の効果は限定的になってしまいます。
セキュリティ対策の基本は多層防御。
UTM、ウイルス対策ソフトはそれぞれ役割が違うため、UTMを導入しても、ウイルス対策ソフトの導入は必要となります。
UTMとウイルス対策ソフトでは役割が違う
UTMはネットワーク全体を守る
UTMの役割は、ネットワーク全体を守ることです。
ネットワークとは、社内のパソコンやサーバー、プリンターなど、パソコンとつなぐ社内網のこと。
UTMをネットワークの上部へ設置することで、1つのハードウェアでネットワーク全体を監視します。
UTMの主な機能は次の5つ。
<UTMの主な機能>
- 外部と社内の通信を監視
- 不正な通信やウイルスを検知したら通信を遮断
- スパムメールを遮断
- メールに添付されるウイルスを検知、削除
- 不正サイトや改ざんされたサイトへのアクセスを禁止
5つの機能を組み合わせ、1つのバードウェアでネットワーク全体の多層防御を実現します。
ウイルス対策ソフトは端末を守る
ウイルス対策ソフトの役割は、インストールした端末を守ることです。
UTMはネットワーク全体を守りますが、端末ごとのセキュリティ対策はできません。ネットワークを経由しない攻撃から守るために、ウイルス対策ソフトの導入は必須。
<ウイルス対策ソフトの機能>
- ウイルスの検知
- 端末のウイルス駆除
- USBやDCDなどの外部メディアのウイルス対策
例えば、外部メディアのUSBやDVDなどがウイルスに感染したり、ウイルスに仕込まれていた場合、UTMではウイルスの検知や駆除ができません。
端末へ直接接続する際に効果を発揮するのがウイルス対策ソフト。
また外付けメディアだけでなく、外出先のフリーWi-Fiなどの外部ネットワークへ接続する場合も、同様にUTMでは防げません。
外部メディアへの接続や、外部のネットワークへ接続など、ウイルス対策ソフトが必要となる利用シーンは多いです。
UTMとウイルス対策ソフトの違いを役割から徹底解説
UTMとウイルス対策ソフトの違いについて、それぞれの役割から一覧にまとめたのがこちら。
UTM | ウイルス対策ソフト | |
ウイルス検知、駆除 | 〇 | 〇 |
端末のウイルス駆除 | × | 〇 |
USBなど外部メディア経由のウイルス対策 | × | 〇 |
フリーWi-Fi接続時のウイルス対策 | × | 〇 |
外部と社内のネットワーク監視 | 〇 | × |
不正な通信発見時のネットワーク遮断 | 〇 | × |
スパムメールの遮断 | 〇 | × |
メール添付のウイルス検知、削除 | 〇 | × |
不正サイトへのアクセス制限 | 〇 | × |
<ウイルス対策ソフト・UTMどちらもできる>
- ウイルス検知、駆除
<UTMのできること>
- ネットワーク全体の監視
- 不正通信の検知、遮断
- スパムメールの遮断
- メールに添付されるウイルスの検知、駆除
- 不正サイトへのアクセス制限
<ウイルス対策ソフトのできること>
- 端末のウイルス駆除
- USBやDCDなどの外部メディア経由のウイルス対策
- フリーWi-Fi接続時のウイルス対策
繰り返しになりますが、UTMがネットワーク全体を守り、ウイルス対策ソフトが端末を守る。
UTMとウイルス対策ソフトでは役割が違うため、どちらも導入することが理想的です。
まとめ
この記事では、UTMとウイルス対策ソフトの役割や機能の違いについて、解説をしていきました。
- UTMを導入しても、ウイルス対策ソフトは必要
- UTMはネットワーク全体を守る
- ウイルス対策ソフトは端末を守る
UTMを導入すると、1つのハードウェアで全てのセキュリティ問題を解決してくれる万能なツールなため、ウイルス対策ソフトは不要と思いがちです。
しかしUTMとウイルス対策ソフトでは、それぞれの役割が違うそのためUTMを導入しても、ウイルス対策ソフトは必要です。
セキュリティ対策は複雑で難しいと考えがちですが、それぞれの役割から考えれば難しくありません。