この記事では、マンションへ光回線を工事する場合の工事内容や注意点について、解説をしていきます。
マンションへ光回線を工事する場合、主な工事内容は次の4つです。
- 電柱から建物まで光回線を引く
- MDFを利用して1階から使用するフロアへ光回線を引き上げる
- MDFから各部屋へ光回線を引き込む
- ひかり電話ルーターを設置する
もし部屋に光コンセントが設置されていれば、光コンセントへひかり電話ルーターを設置すれば終わり。
時間も工事費用も削減できます。
店舗やオフィスへ光回線を導入する場合は、ルーター設置、LAN配線、ビジネスホンなどの業者手配を忘れずにやりましょう!
せっかく決めた光回線の工事ができないかもしれません。
この記事では、光回線の工事内容や、注意点について、細かく解説していきます。
光回線工事|マンションの工事内容や工事手順
光回線をマンションへ工事するには、近くの電柱から光回線を引き込み、使う部屋まで引き上げる必要があります。
実際にマンションで光回線を使うには、4つの行程から工事を行います。
- 電柱から建物まで光回線を引く
- MDFを利用して使うフロアへ光回線を引き上げる
- MDFから部屋へ光回線を引き込む
- ひかり電話ルーターを設置する
光回線の工事をするにも、工事内容を知らなければ事前準備もできませんよね?
工事内容を抑えれば、必要な準備も決まります。
簡単に工事内容を確認して、無事に工事が終わるように備えましょう!
【手順1】近くの電柱からマンションまで光回線を引き寄せる
まずは近くの電柱からマンションまで、光回線を引き寄せます。
モバイルルーターと違って、光回線はNTTの基地局から光回線を引っ張って、戸建やマンションまで回線を届ける仕組み。
光回線をたどれば、もちろんNTTの基地局にたどり着きます。
マンションへ引く光回線は、近くの電柱にある黒いボックスから引き込みます。
電柱のうえの方にある黒いボックスは、光回線をまとめる集約ボックス。
黒いボックスから分岐して、戸建やマンションへ光回線を届けているんです。
ただしマンションやアパートの場合、すでに光回線の利用者がいれば電柱からマンションまでは引き込みが完了していることが多い。
いちいち申し込みの度に、マンションやアパートへ電柱から引くのは大変ですよね?
だから初めて申し込みがあったら、ついでにマンションで見込まれる光回線を引き込んでおく。
そうすれば、かなりの時間短縮になります。
【手順2】MDFを利用して使うフロアへ光回線を引き上げる
電柱からマンションへ光回線を引き寄せたら、次はMDFを利用して実際に使うフロアへ光回線を引き上げます。
MDFとはマンションの回線をまとめる集約ボックス。
電気、光回線、電話線、有線放送など外から引き寄せた線を中継するのが役割です。
MDFは各フロアへ設置されており、1階から各フロアへ簡単に受け渡すことができるんです。
【手順3】MDFから部屋へ光回線を引き込む
実際に使うフロアのMDFまで光回線をつなげたら、次はフロアにあるMDFから部屋まで光回線を引き込みます。
フロアのMDFから部屋へ引き込むには、配管を使います。
配管とは、電気、光回線、電話線、有線放送などの利用を見込み、あらかじめ後から回線を簡単に引き込めるようにするパイプのこと。
配管があれば、簡単に回線を部屋まで引き込めます。
逆にMDFや配管がなければ、マンションの部屋まで光回線を引き込むのはほぼ不可能。
戸建と違ってマンションでは、MDFや配管がなければ光回線の引き込みを諦めた方が無難です。
【手順4】電話やパソコンの近くにひかり電話ルーターを設置する
マンションの部屋まで光回線を引き込んだら、最後にひかり電話ルーター、もしくはONUを設置しします。
ひかり電話ルーター、ONUの違いを簡単にまとめますね!
ひかり電話ルーター |
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ONU |
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光回線の工事をしたら、必ずひかり電話ルーター、もしくはONUが設置されます。
設置は光回線の工事業者がやってくれるのでご安心を!
ただし注意したいのが、光回線の工事業者は何でも一緒に工事をしてるわけではないことです。
例えば、電話機やWi-Fiルーターへの接続工事はやりません。
なぜなら工事業者が工事するのは、NTT、au、SoftBankなどの通信キャリアが提供するサービスまでだから。
それがひかり電話ルーター、もしくはONUまでです。
もし光回線に加えて、電話機やWi-Fiルーターの工事をして欲しいなら、別のオプション契約が必要。
だから工事者がやってくれふのは、『光回線の引き込みからひかり電話ルーターの設置まで』と覚えておきましょう!
ひかり電話ルーター、ONUの設置が終われば無事に工事完了です!
光回線工事|マンションの工事に大家の許可が必要
マンションやアパートへ光回線の工事をするには、大家や管理会社の許可が必要になる場合があります。
大家さんの許可が必要な理由は次の2つ。
- MDFの工事に鍵が必要になる
- マンションの持ち主である大家さんへの気遣い
大家さんへ連絡をしないだけ、「工事できない」と工事業者から言われてしまうケースは意外に多いんです。
なぜ大家さんへ工事の連絡が必要なのか、理由を抑えておきましょう!
MDFを使うのに鍵が必要
大家さんへの連絡を忘れて、工事ができなかった場合の多くが「マンションのMDFが使えなかったから」です。
MDFは外から引き込む線をまとめ、各フロアへつなぐ役割でしたよね?
実は大家さんがいないと、MDFを使えない場合があります。
- 普段使わない部屋にMDFがある
- MDFボックスに鍵がかかっている
MDFの場所が分からなかったり、MDFが施錠されていれば、もちろん大家さんへ連絡したうえで、工事をする必要があります。
マンションへ光回線を導入する場合は、忘れずに工事日までに大家さんへ連絡して、問題なく工事できるようにしましょう!
光回線の工事に慣れている大家さんが多いので、「〇×に光回線の工事をします」と伝えるだけでOKです!
光回線工事のトラブル発生時に相談しやすい
大家さんへ連絡をする他の理由に、トラブルに備えておくのも理由にあります。
マンションへ光回線を通すのがうまくいかず、結果として大家さんへ連絡が必要になる場合は多いんです。
- MDFの場所が分からない
- MDFの鍵がない、開け方が分からない
- MDFに光回線が入らない
- フロアのMDFから部屋へ引き込むスペースがない
特に築年数が経過している古いマンションの場合は、こうした予期せぬトラブルが起きやすい。
あらかじめ大家さんへ連絡をしておけば、「先日ご連絡をした〇×ですが~」と相談しやすいですよね?
突然、「今日、光回線の工事をしてまして」と言われれば、大家さんも驚きます。
一言伝えるだけで、後々が楽になりますよ!
持ち主の大家さんへの気遣い
大家さんへの連絡は、MDFを使うためや、トラブルに備えておくためだけではありません。
持ち主である大家さんへの気遣いも理由の1つ。
マンションやアパートの持ち主は、入居者の方ではなく大家さんですよね?
建物へ工事するなら、持ち主の方へ連絡を入れるのはマナー。
忘れずに連絡を入れましょう。
大家さんへ配慮しておけば、トラブルが発生した際も連絡しやすいのでおすすめです。
光回線工事|光コンセントがあれば工事不要?
光コンセントがあれば工事はいらない場合も
マンションへ光回線の工事をする際、光コンセントがあれば工事がいらない場合もあります。
光コンセントは光回線用のコンセント。
光コンセントへひかり電話ルーターやONUに付いている白いコンセントを差し込むだけで、光回線工事は終わりです。
マンションやアパートは人の出入りが多く、そのたびに光回線の取り付け工事をやっていたら大変。
だから誰でも取り付けられる光コンセントを設置して、簡単に取り付けられるようにしているんです。
光コンセントへ差し込む工事を自分でやれば、工事費は格安になります。
光コンセントを使えるか通信キャリアへ確認しよう
光コンセントが室内にあっても、実際には他の工事が必要なんて場合もあります。
「水道の蛇口を買ったけど、水が出なかった」なんてたとえ話は、多くの方が聞いたことがあるはず。
同じように光コンセントがあっても、電柱から光コンセントまで光回線がつながっていなければ使えません。
そのため通信キャリアへ申し込む際は、光コンセントが使えるか確認が確認が必要です!
光回線工事|マンションにある3つの配線方式
光回線をマンションへ工事するには、光回線方式、VDSL方式、LAN配線方式の3つの方法があります。
- 光配線方式
- VDSL方式
- LAN配線方式
これらは工事業者が決めるのではなく、マンションの設備によって決まります。
通信速度にも大きく影響するため、事前に確認しておくのがおすすめです。
【配線方式1】光配線方式
光配線方式は、電柱から各部屋まで光回線を繋げる方式です。
メリット | 電柱から部屋まで全て光回線でつなぐため、通信速度が最大1Gbosと速い |
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デメリット | マンションによっては光配線方式では工事できない |
部屋まで光回線が来ているため、他の方式に比べ速度劣化がすくなく、通信速度が速いのが特徴です。
光配線方式で工事をするには、マンションにMDFがあり、MDFから各フロアまで光回線を通す工事が必要になります。
光配線方式は比較的新しい工事方式なため、全てのマンションが光配線方式ではありません。
マンションの構造上、どうしても光配線方式にできない場合もあります。
光配線方式にできないマンションは、VDSL方式、LAN配線方式のいずれかで工事していきます。
【配線方式2】VDSL配線方式
VDSL方式は、マンションにすでに配線されている固定電話回線を使った配線方式です。
メリット | アナログな電話回線を活用し、光回線工事を簡略化 |
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デメリット | 最大100Mbpsと光配線方式と比べ遅い |
築浅の物件には少ないですが、築10年以上経過したマンションには、アナログな固定電話回線を部屋まで引き込んでいる場合が多いです。
MDFから部屋までの配線を電話回線を使ってつなぐ方法がVDSL方式です。
光回線工事ができないマンションの場合は、VDSL方式を使う場合が多い。
ただし工事が簡単になる一方、通信速度が最大100Mbpsと光回線方式の1/10しか速度が出ません。
VDSL方式から光配線方式への変更は少しづつ進んでいますが、まだまだ時間が掛かります。
【配線方式3】LAN配線方式
LAN配線方式は、MDFから各部屋までLANケーブルを使う配線方式です。
メリット | マンションにあるLAN配線を使うため工事が簡単 |
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デメリット | 最大100Mbpsと光配線方式と比べ遅い |
LAN配線方式は、マンションへあらかじめ配線してあるLANケーブルを使います。
LANケーブルはMDFから各部屋まで伸びています。
そのため光回線の工事は、MDFの光回線と各部屋へ延びるLANをつなぐだけ。
最大速度は100Mbps と光配線方式と比べ遅いですが、実際の体感は光回線とあまり変わりません。
ただし、実際にLAN配線方式が使われるマンションはほとんどありません。
提供方式 | 開始時期 |
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VDSL方式 | フレッツ光提供開始初期に普及 |
LAN配線方式 | VDSL方式から光回線方式が普及するまでの移行期 |
光配線方式 | 光配線方式が主流に |
LAN配線方式は、VDSL方式から光配線方式への切り替え時に若干のマンションへ導入された程度です。
そのため現在のマンションにはほとんど使用されていません。
光回線工事|マンションで工事ができない3つのケース
マンションへフレッツ光の工事をする場合、マンションによっては工事ができないケースもあります。
- 光回線の提供エリア外
- 電話やルーターなど別の工事が必要
- 配管がない、使えない
マンションによっては工事が難しい3つのケースを確認して、自分のマンションが問題なく工事ができるかを調べるようにしましょう!
【ケース1】光回線の提供エリア外
光回線を導入したいマンションが、光回線の提供エリア外の場合は工事ができません。
光回線はNTTやau、Softbankなどの通信キャリアによって、サービスが提供される範囲があらかじめ決まっています。
そのため光回線の提供エリア外の場合、もちろん使えません。
光回線の提供エリアはこちらから確認できます。
【ケース2】電話やルーターなど他の工事も必要
電話やルーターなど光回線の工事と同時に他の工事が必要な場合、工事ができないケースがあります。
光回線の工事業者は、光回線を電柱から引き込み、ひかり電話ルーターやONUの設置までが工事範囲だから。
他は仕事の範囲外なのです。
光回線を使って電話機を使いたいなら、自分で接続、もしくは他の工事会社へ依頼が必要です。
もし光回線の工事業者が電話機やルーターを設定しようとチャレンジして、壊してしまったら責任が取れないですよね?
光回線の工事業者が工事をしないのはこのため。
もし自分で工事ができないなら、あらかじめ別の工事業者を手配しましょう!
【ケース3】配管がない、あっても使えない
マンションへ光回線を工事できないケースとして、光回線を通す配管がなかったり、あっても使えないケースがあります。
特に築年数が経過している物件は注意してください。
配管はマンションの建設時に作られます。
築年数が経過すれば、配管に亀裂が入ったり、他の回線が詰まって線が通らいことも。
まれに配管がそもそもない場合もあります。
マンションに光回線工事をするのに、光回線を工事するのは不可能に近い。
もし配線が使えない場合は、光回線を工事諦めも視野に入れるべき。
もし配管を新しく作るとなれば、数十万の費用が発生します。
光回線工事|オフィスや店舗の注意点
マンションへ光回線の工事が必要な法人の方は、電話機やルーターの設定に加えて、ビジネスホンやLAN配線の手配を忘れないようにしましょう!
マンションへオフィスや店舗を構えることもありますよね?
オフィスや店舗へ光回線を工事するなら、次の2つを忘れないよう注意してください。
- ルーターやLAN配線業者の手配
- ビジネスホン業者の手配
ルーターやLAN配線業者の手配が必要
オフィスや店舗なら、光回線の工事と合わせて、ルーターやLAN配線の業者手配が必要です。
繰り返しになりますが、光回線の工事業者は電柱から部屋まで光回線を引き込んで、ひかり電話ルーターやONUを設置まで。
実際に光回線を工事したら、PC作業ができる環境まで用意してもらえると思いますよね?
実際はそんなことはありません。
利用に必要なルーターの設定やLAN配線など、利用開始するのに必要な準備をしてくれるわけではない。
オフィスや店舗で使うルーターの設定、必要なLAN配線は別の工事業者へ依頼しましょう!
ビジネスホンの業者手配も必要
オフィスや店舗なら、ルーター設定やLAN配線の他に、ビジネスホンが必要な企業も多いのではないでしょうか。
ビジネスホンとは、法人向けの電話機。
家庭用の電話機と違い、同時に複数人が発信できたり、内線をまわせたりと家庭用の電話機ではできない便利な使い方が可能です。
光回線を使ってビジネスホンを使うなら、必ずビジネスホン業者を呼び工事してもらいましょう!
光回線の工事業者は、ビジネスホンを一切設定しないので注意してください。
光回線工事|マンションへ工事するのに気になるQ&A
光回線の工事業者はWi-Fiの設定もしてくれる?
光回線の工事業者は、Wi-Fiの設定をしてくれません。
工事行業者の工事内容は、電柱から光回線を部屋まで引き込み、ひかり電話ルーターや、ONUを設定するところまで。
もしWi-Fiの設定が必要な場合、オプションで別の申し込みが必要になります。
光回線の工事業者はLAN配線の工事もしてくれる?
光回線の工事業者は、LAN配線の工事はしてくれません。
理由はWi-Fiと同じで、工事業者がする工事内容ではないから。
またWi-Fiとは違い、LAN配線に必要な道具を持っていないのも理由です。
LAN配線が必要な場合は、事前に別の業者を手配するようにしましょう。
工事業者は配管の工事もしてくれるの?
工事業者は、配管の工事はしれくれません。
もしマンションの配管工事を依頼するなら、マンションを建設した工事業者へ依頼するのがおすすめ。
建設当時の図面があり、マンションの細部設計があるため工事がスムーズ。
建設時の業者へ依頼すると若干割高に思えるかも知れませんが、その分時間の削減や建物への負担を減らせます。
光回線の工事業者は、マンションの配管工事はしてくれないので注意しましょう。
まとめ|光回線をマンションへ導入しよう!
この記事では、マンションへ光回線の工事をする工事内容や注意点について解説をしていきました。
- マンションへ光回線を導入する工事内容は、電柱からMDFまで光回線を引き込み、各部屋へひかり電話ルーターを設置まで
- 光回線を工事するなら、大家さんへの連絡を忘れずに
- 光コンセントを確認して、活用できれば工事費削減に
- オフィスや店舗なら、ルーターやLAN配線、ビジネスホンの業者手配を忘れずに
初めての光回線工事なら、工事内容も分からず、何を準備してもいいか分からないですよね?
特に法人の方は、工事ができないとオフィスや店舗の開業日などにも影響が出る。
光回線の申し込みには気を付けても、工事に興味がない人は意外に多いんです。
この記事を読んで、光回線の工事内容や、事前準備について少しでもご理解いただけたら嬉しいです!