仕事で多くのデータを扱うけどバックアップは必要?
どうやってバックアップしたらいいの?
この記事では、バックアップの目的や必要性について解説をしていきます。
バックアップは、既に実施されていますか?この記事を読んでくださっている方は、こうした疑問を抱えているのではないでしょうか。
「大切だと聞くけど、本当にやる必要はあのか?」
「実際にどうやったらいいか?」
家族の写真や友人の連絡先なら、「大切だけど必ずバックアップを取る必要はない」と判断をする人もいるかも知れません。
でも法人が業務を行う上では、バックアップは「必ずやる必要のあること」です。
この記事では、バックアップの目的や必要性について解説したうえで、実際にはどのような方法があるのか説明をしていきます。
- バックアップの目的や必要性
- バックアップの種類
- バックアップの考え方
- バックアップの方法
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バックアップの目的や必要性とは?
バックアップの目的①万が一に備える保険
バックアップの目的1つ目は、万が一に備える保険です。
バックアップが万が一のためい備える保険として、効果が発揮するのには様々な場面があります。
バックアップが効果を発揮する場面
- パソコンやサーバーの故障
- データの紛失
- 落雷による停電、地震などの自然災害
- 重要なデータを誤って削除
- ランサムウェアによるセキュリティ被害
当たり前に使っているパソコンですが、明日これらの場面に遭遇したらどうしますか?
もちろん、バックアップを常に取っていれば深刻なダメージはありません。ダメージと言えば、復旧作業に掛かる数分から数十分の時間くらい。
もしバックアップを取っていなければ、いくら時間を費やしても元通りに復旧するのは不可能な人が多いはず。
顧客や取引先の情報などは、いくら時間をかけても簡単には元通りになりません。
むしろデータ紛失によって、納品が遅延することや、顧客や取引先から信頼を失うなど様々なリスクが。
まずはデータを保険として、いつでも現状復旧できるように備えるべきです。
バックアップの目的②原因究明の証拠
バックアップの目的2つ目は、トラブルなどが生じた際の原因究明の証拠です。
先にお伝えしたバックアップが効果が発揮するような、不測のトラブルが発生した際の原因究明に役立ちます。
例えばデータを紛失してしまった場合を考えて見ましょう。
プレゼン資料のデータが消えた・・・
- 今日のプレゼンに備え、昨日資料を準備した
- 今朝パソコンを開くと、データが消えていることに気が付いた
- 帰宅前にバックアップを取ったので、確かにデータは保存されていた
- それ以外のデータは、パソコンから消されていない
- もしかしたら、誰かに消されてしまったのか。。。
この場合、誤って削除したのか、故意に削除されたのか分かりませんが、昨日保存されたデータが消えてしまった事実は明確。
バックアップを取っていなければ、確かにデータを保存したのか、その他のデータには影響がないかなど、比較ができず分からないことが多くなってしまう。
このようにバックアップを取得しておくことで、不測のトラブルを避ける(保険)だけでなく、原因究明をすることが可能になります。
バックアップの種類とは?
バックアップには、4つの種類があります。
バックアップの種類
- バックアップの種類①イメージバックアップ
- バックアップの種類②フルバックアップ
- バックアップの種類③増分バックアップ
- バックアップの種類④差分バックアップ
特に社内にNASなどのファイルサーバーがある場合、バックアップの種類を細かく設定が可能。
それぞれの特徴を簡単に抑えて、必要なバックアップを取るようにしましょう。
バックアップの種類①イメージバックアップ
イメージバックアップとは、パソコンにある全てのデータを丸ごとバックする方法です。
パソコンにある全てのデータ
- パソコンのOS
- インストールされるソフト
- 写真や各ファイルなどのデータ
これらを丸ごとバックアップします。
イメージバックアップのメリットは、パソコンが故障した場合に、保存した状態を環境ごとリカバリ(復元)することができること。
イメージバックアップを取っておけば、万が一パソコンを失っても、短時間で復旧が可能です。
イメージバックアップのデメリットは、全てのバックアップのを取得するため、バックアップの取得にも、復旧にも時間が掛かること。
全てをもとに戻せる一方で、時間が掛かり、容量も多きくなってしまうため、月1回程度の頻度で行うのがおすすめです。
バックアップの種類②フルバックアップ
フルバックアップとは、指定したファイルやフォルダを全てバックアップする方法です。
データ容量によっては時間が掛かりますが、イメージバックアップよりも少ない時間でバックアップが可能。
フルバックアップのメリットは、重要な顧客情報や取引先の情報など、必要な情報のみをめがけてバックアップができること。
デメリットは、イメージバックアップとは違い、パソコンを全て元どおりに復旧するようなバックアップを取得することはできません。
顧客情報や営業に必要な取引先情報など、重要データのバックアップにおすすめな方法です。
バックアップの種類③増分バックアップ
増分バックアップとは、前回フルバックアップしたデータに追加や変更が発生したものだけバックアップをする方法です。
トラブル発生時には、元の状態に復元するためにフルバックアップをしてから全ての増分バックアップが必要となります。
増分バックアップのメリットは、追加、削除、変更などが発生したデータのみバックアップを行うため、フルバックアップよりもバックアップ時間や容量を少なくすることができること。
増分バックアップのデメリットは、増分バックアップのデータだけではファイルの復旧ができないことです。
あくまでフルバックアップを補完する位置付けなため、フルバックアップと合わせて利用されます。
バックアップの種類④差分バックアップ
差分バックアップとは、前回のフルバックアップ移行に作成、変更されたファイルだけをバックアップするのが差分バックアップです。
トラブル発生時には、フルバックアップと差分バックアップの2つのデータを使えば普及が可能。
差分バックアップのメリットは、いくつかのバックアップを使う増分バックアップとは違い、フルバックアップと差分バックアップの2つのファイルでバックアップができること。
デメリットは、増分バックアップよりも、バックアップに時間が掛かることです。
バックアップの基本は「3、2、1」で考える
バックアップを行う基本として、「3、2、1」のルールを押さえておきましょう。
バックアップの基本は「3、2、1」
- データはコピーして3つ以上もつ
- 2つ以上の媒体(メディア)にコピーする
- 1つは別の場所へ保存する
データは企業の情報資産。「なくなった」では済まされない場合も多い。そのため2重でデータをバックアップをしておくことをおすすめします。
バックアップを保存する媒体(メディア)も、2つ以上の場所に保管をしておくこと。同一のパソコンやサーバーにバックアップをしても、端末が故障してしまえばおしまいです。
最近は自然災害も多いため、バックアップは最低1つは会社以外の場所に保管をすべき。別の支店やクラウドを活用したデータ保管を行うことで、万が一に備えることができます。
バックアップの具体的な方法
バックアップの具体的な方法として、ここでは3つ紹介します。
バックアップの具体的な方法
- バックアップの方法①ローカルバックアップ
- バックアップの方法②ネットワークバックアップ
- バックアップの方法③クラウドバックアップ
バックアップの方法①ローカルバックアップ
ローカルバックアップとは、パソコンに直接接続したハードディスクやUSBメモリなどにバックアップを保存する方法です。
メリットは、パソコンから直接バックアップを取る方法のため、誰でも簡単にバックアップを取れること。
デメリットはパソコンに直接さっているため、ウイルス感染してデータが消えてしまう場合は、直接接続されるUSBはハードディスクにも被害が及ぶ可能性が高いです。
バックアップの方法②ネットワークバックアップ
ネットワークバックアップとは、ネットワーク上に接続されているNASやファイルサーバーにバックアップを取る方法です。
メリットはパソコンが複数台あっても、NASやファイルサーバーへ常に保存するように指定しておくことで、バックアップの管理が簡単になること。
1つ1つのパソコンに保管されるデータをバックアップするのは管理に手間が掛かりますが、NASやファイルサーバーに保存されているデータを一括でバックアップしてしまえば1度の手間で済みます。
デメリットはネットワークに設置する必要があるため、ネットワークやファイルサーバーの知識が必要になります。
とはいえ、多くの企業で取り入れられる一般的な方法のため、そこまで難しい訳ではありません。
バックアップの方法③クラウドバックアップ
クラウドバックアップとは、インターネットにあるサーバー上にバックアップを取る方法です。
メリットは、社内にNASやファイルサーバーを設置する必要がなく、導入が簡単にできること。
デメリットは、クラウドサービスを理解しておかないとデータ漏えいなどのリスクがあること。
「クラウドは興味があるけど、セキュリティが心配」と言う人は、IP-VPNを活用して社外にデータを保管するのをおすすめします。
バックアップのまとめ
この記事では、バックアップの必要性や目的、バックアップの種類や方法について解説をしてきました。
- バックアップの目的は、万が一の保険と原因究明の根拠
- バックアップには4つの種類がある
- バックアップの基本は「3、2、1」のルール
- バックアップの方法は3つ
一言にバックアップと言っても、種類や方法には様々なモノがあります。
大切なのは、できることから今すぐにはじめること。
トラブルがいつ起きるかは分かりません。もしかしたら、明日は我が身かもしれない。
特に法人は、せめて顧客情報、取引先の情報は必ずバックアップを取得してください。「やってしまった」からは、もう信頼を取り戻すことは難しいです。
ウイルス対策ソフトがいらないは嘘。セキュリティ対策は多層防御が基本