この記事では、光回線を戸建へ工事する際の工事内容や、工事手順を解説していきます。
光回線の基本的な工事内容は、次の3つに分けられます。
- 電柱から建物まで光回線を引く
- 光回線を建物内へ引き込む
- ひかり電話ルーターを設置する
簡単そうに見える3つの工事ですが、電柱が遠かったり、建物内へ引き込むルートがないなど、様々なケースが考えられます。
また戸建へ光回線を工事するのに『穴あけ工事が必要』と聞いたことはありませんか?
実際に必要となることもありますが、穴あけ工事ほとんどの場合は不要。
光回線の工事業者も、お客様の家に傷なんてつけたくない。
光回線を戸建へ工事する人は多いのに、実際の正しい工事内容があまりない。
だからこの記事では光回線を戸建へ引き込む際の工事内容や工事手順、注意点について細かく解説しています。
光回線を戸建へ工事するのに、疑問や不安があれば見出しだけでもチェックしてみてください。
きっと解決するはずです!
光回線工事|戸建ての工事内容や工事手順
光回線を戸建てに工事するには、近くの電柱から光回線を建物内へ引き込む必要があります。
工事内容を細分化すれば、以下の3つに分けられます。
- 近くの電柱から建物まで光回線を引く
- 光回線を建物内へ引き込む
- ひかり電話ルーターを設置する
それぞれ詳しく解説しますね!
【手順1】近くの電柱から建物まで光回線を引き寄せる
光回線の工事を戸建てへするには、電柱から光回線を伸ばす必要があります。
自宅付近の電柱を見渡すと、黒い細長い箱が付いていませんか?
電柱の黒い箱に光回線が集約されてます。
戸建てへ光回線の工事をするには、この黒い箱から使う光回線を伸ばすだけ。
電柱の光回線はNTTが利用者を見込んで、事前に整備してくれているので、申し込んだらすぐに使えるようになっているんです!
電柱をずっと辿れば、光回線はNTTの基地局までたどり着く仕組み。
山間部や離島などの見込める利用者が少ない場合は、申し込んでから近くの電柱まで光回線を伸ばすことがあります。
また黒いボックスの光回線が全て使われてしまってる場合や、別の電柱から伸ばしてくる必要がある場合も。
こうした時には、他の電柱からケーブルを引っ張ったり、黒いボックスを設置してから光回線の引き込みをします。
電柱から光回線を伸ばすのに、戸建てによって作業時間や工事内容が変わっくるのはこのためです。
【手順2】光回線を配管やダクト、壁の穴あけをして建物内へ引き込む
光回線を戸建てまで伸ばしたら、今度は建物内へ光回線を引き込みます。
建物内へ引き込む方法は様々。代表的な方法は次の4つです。
- 整備されている配管を使う
- エアコンダクトの隙間から入れる
- 窓の隙間から入れる
- 壁に穴をあける
整備されている配管を使う
外から建物内へ引き込める配管があれば、それが1番いい。なぜなら建物に負担をかけず配線ができるから。
配管とは、電力線、電話回線、光回線などの外から物理的に引き込む回線を建物内へ通す通り道です。
配管の多くは、利用を見込んであらかじめ整備されています。
最近の新しい戸建には、電力線や電話回線、光回線や有線放送などの需要があるため、何も言わなくとも業者が手配してくれるのがほとんど。
配管があれば、建物を傷つけずに建物内へ光回線を通すことができます。
ただし、建物に配管がないなら、光回線のためだけに配管を作るのは、時間も費用も掛かるため難しい。
そうした場合はエアコンの隙間や、ドアの隙間から光回線を通していきます。
エアコンダクトの隙間から入れる
配管がなくても、エアコンダクトの隙間を使った配線もできます。
エアコンは外気を取り込む通気口が、室内まで伸びているため底を通して光回線を引き込む仕組み。
エアコンダクトの配線は、配管に比べて見た目は悪くなるものの、建物に傷をつけないのでおすすめな方法です。
でも配管と違って、必ず使えるわけではありません。
建物によってはエアコンダクトの隙間が内場合もあるし、電柱から遠い位置にエアコンダクトがあれば、エアコンダクトを使った配線は難しい。
エアコンダクトのを使えなければ、窓の隙間から光回線を通していきます。
窓の隙間から入れる
配管がなく、エアコンダクトの配線も出来なければ、窓とサッシの隙間を伝わせる配線も検討しましょう。
「窓とサッシの隙間を光回線を通せるの?」と思うかも知れません。
少し前なら光回線を無理に曲げたら折れてしましました。でも今の光回線は90度以上にぐにゃっと曲げても簡単には折れません。
さらに窓とサッシの間に挟むため、断線をしないよう特殊なカバーをして光回線を這わせます。
多少は窓の締まりが悪くなりますが、生活に支障はありません。
配管、エアコンダクト、窓の隙間を使った配線ができなければ、壁に穴をあける配線を検討していきます。
壁に穴をあける
配管、エアコンダクト、窓とサッシの隙間を試してもダメなら、最終手段は戸建ての壁に穴をあけて光回線を通す方法です。
「光回線を通すために穴をあけるの?」と思うかもしれません。でも穴といても、鉛筆の先ほどの数ミリ程度。
穴をあけた後は、そこから雨が染み込まないように特殊な防水加工をしていきます。
ただし、工事者が積極的に穴あけ工事をすることはありません。
工事者にとっても、光回線を通すには穴をあけるのが一番簡単。でも工事者は光回線の専門家であって、壁面工事の専門家ではない。
だからなるべく穴あけ工事なんて、やりたくないのが本音。
穴をあけた方が工事は楽だけど、人様の家に傷をつけたくない。穴あけに失敗すれば、当たり前に怒られる。
だから穴あけの工事が頻発するわけではないのを押さえておきましょう!
やむを得えず穴あけ工事をする場合は、工事者が確認をとってくれます。
【手順3】電話やパソコンの近くへひかり電話ルーターを設置
建物内への光回線の引き込みが終わったら、最後にひかり電話ルーターを設置します。
ひかり電話ルーターの他に、ONUと呼ばれる機器が設置される場合もあります。
簡単に違いをまとめにておきますね!
ひかり電話ルーター |
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ONU |
|
光回線の工事をしたら、必ずひかり電話ルーター、もしくはONUが設置されます。
設置は光回線の工事者がやってくれるのでご安心を!
ただし注意したいのが、光回線の工事者は何でも一緒に工事をしてるわけではありません。
例えば、電話機やWi-Fiルーターへの接続工事はやってくれない。
なぜならNTT、au、SoftBankなどの通信キャリアが提供するサービスが、ひかり電話ルーター、もしくはONUまでだから。
もし光回線に加えて、電話機やWi-Fiルーターの工事をして欲しいなら、別のオプション契約が必要になります。
だから工事者がやってくれふのは、『光回線の引き込みからひかり電話ルーターの設置まで』と覚えておきましょう!
光回線工事|穴あけは必要?確認をされた時の答え方
事前確認は工事当日のキャンセルを防ぐため
光回線を申し込みが終わってから、工事日程を決めるときや、工事前の事前連絡のときに、『穴あけ工事の許可』を聞かれる場合があります。
聞かれたら、穴あけ工事をしてもいいと答えておくのがベター。
工事手順で紹介したように、工事者が積極的に穴あけ工事をするわけではありません。
申し込み内容や、工事日程と合わせて、「穴あけをする場合もありますがご了承いただけますか?」と確認が入ります。
これは工事当日のキャンセルを防ぐため。
工事の当日にキャンセルになれば、光回線の申し込みに必要な手続きや、工事者の準備や移動時間が全て無駄。
コストも時間も掛かるなんて、通信キャリアにとって負債ですよね?
だから無駄を少しでも防ぐために、『穴あけ工事の了承』をあらかじめ求めています。
聞かれたら「穴あけしても大丈夫」と答えておきましょう!工事当日に断っても、費用は発生しないので問題ありません。
光回線工事の穴あけは工事者が現場で判断
光回線工事の穴あけは、工事者が必要に応じて現場で判断します。
なぜなら建物によって、光回線を通すルートが違うから。
電柱、エアコンダクト、窓の位置は、建物によって違いますよね?
さすがのNTTでも、全ての建物の構造は把握していません。だから工事者が現場での判断が求められます。
穴あけが必要になれば工事当日に断れる
もし工事当日に工事者から、「穴あけ工事をします」と言われてどうしても嫌なら、しっかり断りましょう!
当日に断っても、キャンセル料は掛かりません。
事前に穴あけ工事に了承していても、工事当日に断っても大丈夫。
穴あけ工事をしてから「元に戻してほしい」と言われても、穴をふさぐことはさすがにできない。
工事者も無理に工事をして、お客様から怒られたり、苦情を言われたくない。
工事者から穴あけ工事を求められて、穴あけ工事をしたくないならしっかり断るのがお互いのためです。
光回線工事|戸建2階へ工事できる?
光回線の工事は戸建の2階にもできる
光回線をメインで使いたいのが2階なら、2階へ光回線を引き込むことも可能です。
電柱の近くに建物がある場合や、電柱から2階の高さを維持して経由できる支柱や建物があれば、問題ありません。
一方で電柱から遠い場合や、周囲に何もない場合は、電柱から引き込む光回線の高さを維持するのは難しい。
その場合はLANケーブルや、Wi-Fiを使って対応しましょう!
配管があれば2階へLANケーブルでつなげる
配管が既にある建物の場合、メインで使うのが2階でも、わざわざ光回線を2階へ工事する必要はありません。
なぜならLANケーブルを使ってあげれば解決するから。
外から引き込む配管があれば、1階から2階へLANケーブルを持っていく配管も大抵の場合あります。
だから配管さえあれば、2階へ光回線を工事する必要はありません。
Wi-Fiが2階に飛ばないなら電波を増幅したら解決
配管がなくても、Wi-Fiを使って2階へ飛ばせば問題ない。
鉄筋コンクリートや、芸能人が住むような豪邸でもない限り、Wi-Fiルーター1台あれば、建物のどこでも光回線を使えます。
「もし2階へWi-Fiが届かなかったらどうしたらいい?」
Wi-Fiの電波が届かないなら、電波を届くようにWi-Fiの中継器を設置してあげれば解決。
使い方はコンセントを指して電波を掴むだけ。
コンセントに挿す中継器は数千円から購入できるので、Wi-Fiの電波が届かなくても中継器が1台あれば解決です。
光回線工事|工事ができない?戸建の注意点
せっかく光回線を申し込んでも、やむを得ず光回線の工事ができないケースがあります。
場所によって光回線が使えない地域や、工事の事前準備不足などいつかのケースに分かれます。
代表的な工事ができないケースは次の5つ。
- 光回線の提供エリア外
- 電話やルーターなど他の工事が必要
- 光回線を引き込む電柱が遠い
- 光回線の工事が道路や河川を超える
- 光回線の工事に隣人の敷地を跨ぐ
これらに該当した場合、どうやっても当日に工事ができません。
それぞれのケースをざっと抑えて、「工事ができなかった」とならないように準備をしましょう!
【ケース①】光回線の提供エリア外
申し込み時に光回線を実際に使う設置場所が、ひかり電話の提供エリアか事前に確認をしましょう!
光回線の提供エリアは、NTTやau、Softbankなど通信キャリアによって決まっています。
当たり前ですが、通信キャリアが光回線の提供をしていなければ使えません。
以下へ通信キャリアごとの提供エリアの確認先リンクを貼っておくので、申し込み前に確認しましょう。
【ケース②】電話やルーターなど他の工事も必要
電話やルーターなど光回線の工事と同時に他の工事が必要なケースも、工事ができないコトがあります。
なぜなら光回線の工事者は、光回線を電柱から引き込み、ひかり電話ルーターや、ONUの設置までが工事範囲だから。
例えば今使っている電話回線を光回線へ移行する場合、電話業者の手配が必要。
関連する他の業者手配を忘れたら、電話機が使えなくなってしまうため光回線の工事ができません。
光回線と合わせ、他の工事が必要なら忘れずに手配しましょう!
【ケース③】光回線を引き込む電柱が遠い
光回線を引き込む電柱から建物が遠い場合、電柱から光回線を引き込めないケースがあります。
電柱と建物の距離が遠いと、どうしても光回線はたるんでしまう。また距離が長ければ、雨や風の影響も受けやすい。
特に地方は敷地が広く、電柱と建物の距離が遠いことがあるので要注意。
電柱と建物の間に支柱や、支柱の代わりになる建物があれば経由できますが、なければ経由地点を作る必要があります。
【ケース④】光回線が国道や河川を超える工事
光回線を国道や河川を超えて延長する工事は、各行政への届け出が必要になります。
工事自体がさほど難しくなくても、届け出が受理されるのに数週間。場合によっては、数か月間もことも。
こうした申し込みから工事までに時間が必要となるケースもあるため、新しいオフィスや店舗を作る場合は十分に余裕をもって申し込みましょう。
【ケース⑤】光回線が隣人の敷地を跨ぐ工事
光回線を工事するために、隣人の敷地を跨ぐ工事が必要なケースがあります。
他人の敷地を跨ぐ場合、必ず敷地所有者の許可が必要。
もし許可がもらえなければ、別の工事方法を考えなくてはいけません。
敷地所有者の許可取りは、工事者がやってくれますが、不在で交渉ができないケースも。
許可が取れなければ、工事を延期せざるを得ません。
光回線工事|オフィスや店舗の注意点
光回線を戸建のオフィスや店舗へ工事する場合、次の2つを忘れずに準備しましょう!
- ルーターやLAN配線を工事する業者手配
- ビジネスホンの業者手配
NTTやau、Softbankなどの通信キャリアは、全ての工事を実施してくれるわけではない
ルーターやLAN配線業者の手配
オフィスや店舗の場合、光回線の他にWi-FiやLAN配線などの通信環境を整えるのが必須です。
新規開設、事務所のどちらでも、光回線の工事をしたその日から使いたいですよね?
そのためにはプロバイダーを登録するルーター、パソコンやタブレットを接続するWi-FiやLAN配線の工事が必要です。
これらは光回線を申し込むだけでは、工事者はやってくれません。
あらかじめ別の業者を手配するか、通信キャリアへオプションを申し込むなど事前の準備を忘れないようにしましょう!
ビジネスホンの業者手配も同日に
光回線はインターネット回線の役割に加えて、電話回線の機能も担います。
そのため内線が使えるような、オフィス用のビジネスホンを使うなら電話業者の手配も必要。
スマートフォンが普及したとはいえ、まだまだビジネスホンが必要となる場面は多い。
必要の応じて電話業者の手配を忘れないようにしましょう!
光回線工事|戸建へ工事するのに気になるQ&A
光回線の工事業者はWi-Fiの設定もしてくれる?
お伝えしている通り、光回線の工事者はWi-Fiの設定はやってくれません。
光回線の工事者が工事する範囲は、電柱から光回線を引き、ひかり電話ルーターやONUの設置まで。
細かな工事はやってくれないため、注意してください。
光回線の工事業者はLAN配線の工事もしてくれる?
Wi-Fiと同じように、光回線の工事者はLAN配線工事はやってくれません。
理由はWi-Fiと同じで、工事業者の工事範囲は電柱から光回線を引き、ひかり電話ルーターやONUの設置までだから。
LAN配線を使うなら、家電量販店やネットで買うか、別の業者を手配しましょう。
前に使っていた光コンセントは使えるの?
前に使っていた光コンセントが残っていれば、基本的には使えます。
光コンセントがあれば、ひかり電話ルーターやONUを差し込むだけで工事は終わり。
さらに工事業者を呼ばずに自分で接続すれば、工事費用は掛かりません。
まれに光コンセントまでの光回線が断線していて使えないこともありますが、活用してみるのがおすす
工事業者は配管の工事もしてくれるの?
工事業者は配管の工事はしてくれません。
Wi-FiやLAN配線と同じように、工事業者の工事は電柱から光回線を引き込み、ひかり電話ルーターやONUを設置するまでだから。
配管の工事は建設関係の別業者がやる場合が多いです。
もし配管を作るなら建物を建設してくれた業者へ連絡するのがおすすめ。
建物内部の構造も分かっているため、まったく別業者へ依頼するより安上がりになることも多いです。
まとめ|光回線工事を戸建に導入しよう!
この記事では、光回線を戸建へ導入する際の工事について、手順や注意点などを解説しました。
- 光回線の工事は、近くの電柱から建物内へ引き込み、ひかり電話ルーターの設置するまで
- 穴あけ工事は他の工事ができな掛かった場合の手段。ほとんどは穴あけ工事をしない
- 戸建の2階へ光回線を入れられる場合も。できなければ配管やWi-Fiを使って対応
- 光回線の工事ができないケースもあるので事前に確認
- オフィスや店舗なら、Wi-Fi設置、LAN配線、ビジネスホンの工事手配を忘れずに
光回線の工事は、申し込みから時間が掛かることもあり、工事まで不安になりますよね?
特に新しい戸建や、オフィスや店舗なら、傷を付けずに納期通りに工事ができるか心配。
そんなときは、この記事を読んで光回線を戸建に工事する場合の手順や注意点を復習しましょう。
理解して準備すれば、安心して工事ができますよ!